2026.06.15

野水鋼鐵店が選ばれる理由|燕三条のものづくりを支える“鉄鋼コーディネーター”の仕事

新潟県三条市に拠点を構える株式会社野水鋼鐵店(https://www.nomizu-koutetsu.co.jp)は、特殊鋼・表面処理鋼板・普通鋼・ステンレスなどの素材販売や加工販売を手がける、創業110年以上の歴史を持つ企業です。

同社の強みは、単に鋼材を販売するだけではありません。お客様の要望を丁寧にくみ取り、鉄鋼メーカーや商社、加工会社と連携しながら、最適なものづくりの形を提案する「鉄鋼コーディネーター」としての役割を担っています。

今回の記事では、現場社員や経営陣へのインタビューをもとに、野水鋼鐵店が地域企業から選ばれ続ける理由、仕事に込められた考え方、そして次世代のものづくりに向けた展望をご紹介します。

なぜ野水鋼鐵店は選ばれるのか

「断らない姿勢」と「次の工程を考えるものづくり」が信頼を生む

インタビューの中でも印象的だったのは、「まずは相談を受ける」という断らない姿勢でした。

製造業において、多くの企業が「できること」を提供します。
野水鋼鐵店が大切にしているのは、難しい相談であっても、まずはお客様の話を丁寧に受け止める姿勢です。

できる・できないをすぐに判断するのではなく、どのような方法であれば実現に近づけるのかを考える。
その積み重ねが、お客様からの信頼につながっています。

同社は単純に鋼材を販売するだけではなく、

  • この加工方法で本当に良いのか
  • 次の工程で困らないか
  • 最終的にお客様の商品価値につながるか

までを考えながら仕事を進めています。

実際に現業部 課長の鶴巻さんからも、

こだわればこだわるほど自分の納得するものに近づいていける。
ただ、それがお客様の求めているものかは分からない。
だから「こうしたらもっと喜んでもらえるのではないか」ということを常に考えながら仕事をしている。

という言葉がありました。

また、野水鋼鐵店では「次の工程はお客様」という意識が根付いています。

鋼材は、切断して納品したら終わりではありません。

その先には、

  • 溶接する人
  • プレス加工をする人
  • 組み立てる人

といったお客様がいます。

だからこそ野水鋼鐵店では、その先で材料を使う人のことまで考えながら仕事を進めています。

さらに、自社の工程であってもこの考えを意識していました。
例えば、倉庫から鋼材を運ぶ、シャーリング加工をする、トラックに積むといった工程の中で、次の作業をする同僚のこともお客様であると意識することで、確かな品質を保つことができています。

こうした考え方が、長年にわたり地域企業から選ばれ続ける理由の一つとなっています。

鉄鋼コーディネーターとしての役割

鋼材を売る会社ではなく、人と企業をつなぐ会社

野水鋼鐵店のホームページには、

「お客様と鉄鋼メーカーをつなぐコーディネーター」

という言葉があります。
実際に話を伺うと、その役割は単なる鋼材販売にとどまらないものでした。

【POINT】野水鋼鐵店が提供する「鉄鋼コーディネーター」としての価値

野水鋼鐵店は、鋼材販売や加工だけでなく、お客様・鉄鋼メーカー・加工業者をつなぐ「鉄鋼コーディネーター」としてお客様の課題解決をサポートしています。
創業110年以上の信頼と実績で培ったネットワーク、自社設備を活かし、最適なものづくりの提案をしています。

鋼材の取引では、材料を供給することだけに目が向きがちです。
しかし野水鋼鐵店では、その先にある加工工程や最終的な製品づくりまで見据えながら、お客様にとって最適な提案を行っています。

武田社長はこう語ります。

お客様が困っていたり、新しいものを作ろうとしている時に、
どのメーカーと組ませたらいいか、どの商社と連携したらいいかを考える。
それが私たちのコーディネートです。

野水鋼鐵店では、お客様だけでは解決が難しい課題に対して、鉄鋼メーカーや商社をつなぎながら、お客様の要望を形にしていきます。

つまり野水鋼鐵店は、

「鋼材を売る会社」ではなく、お客様と企業をつないで「お客様のものづくりの可能性を広げる会社」

なのです。

野水鋼鐵店の特徴・強み

1.創業110年超の実績と信頼が生むネットワーク

長年にわたり燕三条地域のものづくり企業を支えてきたことで、多くの鉄鋼メーカーや商社とのネットワークを構築しています。そのネットワークを活かし、材料調達だけではなく、お客様に最適な材料や加工方法を提案できることが野水鋼鐵店の強みです。

2.充実した自社設備と在庫体制で、お客様の「今必要」に応える

野水鋼鐵店の強みは、長年培ってきたネットワークだけではありません。
自社で保有する設備と在庫体制も、お客様から選ばれる理由の一つです。

社内には大型のシャーリング機をはじめとした設備を備えており、鋼材の切断加工に迅速に対応できる環境が整っています。


お客様の要望に合わせた加工を自社で行うことで、スピードと品質の両立を実現しています。
そして、急な材料手配や短納期、小ロット案件にも柔軟に対応できる体制を整えています。

「人間力」を育む企業文化とキャリアステップ

現業部に入社後のキャリアステップ(一例)です。
基礎習得から高度な技術習得、そして将来的には現場リーダーやコーディネーターとして活躍できる環境が整っています。

1.最も大切にしているのは「人間力」

野水鋼鐵店では、資格取得支援や技術習得のためのバックアップ体制を整えています。
しかし、インタビューを通じて感じたのは、それ以上に「人としての成長」を大切にしているということでした。

入社した社員が一人前になるまでのプロセスについて伺うと、経営企画部 部長の水井さんは意外な答えを返してくれました。

1年目はこれ、3年目はこれ、といった決まった育成プログラムを用意しているわけではありません。


その理由は、仕事のスキルを身につける前に、まずは会社の風土やカラーなど組織に馴染み、コミュニケーションを取ることで、人との関わり方を学ぶことが重要だと考えているからです。

さらに、水井さんは

お客様のためにというのはもちろんだけど、まずは同僚や身近な人のために行動できる人になってほしい。

と話します。



「同僚が困っているから手伝おう」という小さな行動の積み重ねが、やがて

「お客様のために何ができるか」

という考え方につながっていくと考えているのです。

野水鋼鐵店では、人としての成長と技術やスキル習得の両方を大切にしています。



武田社長は、

経営者は社員のことを100%考える。社員は同僚やお客様のことを100%考える。それでいいんです。

と話していました。



社員が前向きに働ける環境を整えることこそが経営者の役割だという考え方です。

こうした価値観が、野水鋼鐵店ならではの企業文化をつくっています。

2.資格取得から技術・スキル定着までを全面サポート

野水鋼鐵店では、資格取得に関する費用を会社が支援しています。

実際に鶴巻さんは、

  • 床上操作式クレーン運転技術講習
  • 大型自動車免許

などの資格を会社負担で取得しています。

鶴巻さんは、機械の操作方法や技術の習得について、

機械操作だけでなく、細かな調整や品質基準は先輩から学びました。

と話します。

機械の操作自体はできても、実践や経験でしか身につかない部分があります。
野水鋼鐵店では、技術やスキルを先輩から後輩へしっかりと受け継ぐ体制が整備されています。

3.成長する人に共通する「3つの条件」

インタビューの中で武田社長は、「人が成長する三原則」についても語ってくれました。

人が成長する三原則

  • 素直な心
  • 勉強好きであること
  • 前向きで明るいこと

武田社長は、この3つを大切にしていると語ります。

仕事は一人ではできません。

だからこそ周囲との関わりを大切にしながら、前向きに挑戦できる人が成長していくのだそうです。

野水鋼鐵店には、技術だけでなく人を育てる文化があります。

仕事の楽しさ

1.品質を支える職人技と奥深さ

一見すると「機械が鉄を切るだけ」の仕事に見えるかもしれません。

しかし実際には、そこには職人の経験と技術、そして面白さがあります。

鶴巻さんに仕事の面白さを聞いてみると、

一瞬で鉄をまっすぐ切れること。

と話してくれました。

鶴巻さんの回答に対して、水井さんは、

これも職人技がいるんですよ。まっすぐ切れているようで、実はまっすぐ切れていない。

と話します。

シャーリング機の操作自体は難しくありません。
しかし、高品質な製品を安定して加工するためには経験が必要です。

クリアランスの調整や寸法管理など、長年培われた技術や感覚が品質を支えています。

機械を動かすだけではなく、自分の技術によって品質が変わる。
その奥深さが仕事の面白さにつながっています。

2.成長を実感できる瞬間がある

鶴巻さんが語ってくれたエピソードが印象的でした。

鶴巻さんは、入社当初は先輩から何度も注意を受けていたそうです。

しかしある日、先輩が仕事の指摘ではなく、プライベートの話をしてきました。

その瞬間、

認めてもらえた。

と感じたそうです。

野水鋼鐵店には、技術や知識だけではなく、人としての成長を実感できる場面があります。
こうした成長の日々の積み重ねが、自信ややりがいにつながり、社員一人ひとりのさらなる成長を促します。

今後の展望やビジョン

1.「若者が入りたくなる工場」をつくる

鶴巻さんは、将来に対する危機感をこう語ります。

このままいくと10年後には工場の平均年齢が60歳近くになる。

だからこそ今必要なのは、

若者が働きたいと思える工場づくり。

野水鋼鐵店では、働く楽しさや成長できる環境づくりを通じて、次の世代へものづくりをつないでいこうとしています。

2.県外市場への挑戦

新潟県内の人口減少を見据え、東北・北陸・北関東・北海道など県外市場への展開も進めています。

3.ものづくり体験施設の開設

現在、社内では新たなプロジェクトも進行しています。

それが、

ものづくり体験施設の開設です。

工場の敷地内に、子どもから大人までがものづくりを体験できる施設の設置を目指しています。

鉄だけに限定せず、プラスチックや木工なども含めた幅広いものづくり体験施設を構想しています。

これから製造業に携わる人たちへ

「ものづくりを楽しむこと」が原点

インタビューの最後に共通して語られていたのは、

「ものづくりを楽しむことの大切さ」

でした。

新しいものを生み出し、誰かの役に立ち、社会を前進させる。
その根底には楽しさがあります。

水井さんは、伝統を大切にしながらも、楽しみながら新しいことに挑戦する姿勢を持った人と一緒にものづくりや会社づくりをしていきたいと話します。

武田社長はこう語ります。

人生の多くの時間を会社で過ごす。だから会社に来ること自体が楽しくなければ意味がない

月曜日が憂鬱な会社ではなく、月曜日が待ち遠しくなる会社。

それが野水鋼鐵店の目指す姿です。

ものづくりを楽しむこと。

仲間と成長すること。

地域の未来をつくること。

野水鋼鐵店には、鉄を扱う会社という枠を超え、地域や人の未来を見据えた挑戦があります。

ものづくりを楽しみながら成長し、仲間やお客様のために行動する。
その文化こそが、野水鋼鐵店の大きな魅力の一つです。

野水鋼鐵店に向いている人

野水鋼鐵店で活躍するために、最初から特別な知識や経験が必ず必要というわけではありません。

大切なのは、周囲の人と協力しながら学ぶ姿勢や、目の前の仕事に前向きに向き合うことです。
インタビューでも、「素直な心」「勉強好きであること」「前向きで明るいこと」が、成長する人に共通する要素として語られていました。

鉄や鋼材に関する知識は、入社後の実務や先輩社員からの指導を通じて少しずつ身につけていくことができます。

ものづくりに興味がある方、地域の産業を支える仕事に関わりたい方にとって、野水鋼鐵店は成長の機会がある職場です。

まとめ

野水鋼鐵店は、鋼材販売やシャーリング加工だけでなく、お客様と鉄鋼メーカーをつなぐ鉄鋼コーディネーターとして燕三条のものづくりを支えています。

野水鋼鐵店が選ばれる理由は、単なる鋼材を売る会社ではなく、「断らない姿勢」と「次の工程はお客様」という考え方を大切にしながら、お客様と鉄鋼メーカー、加工業者をつなぐ鉄鋼コーディネーターとしての価値を提供しているからです。

創業110年以上の信頼や実績、設備だけでなく、人を育てる企業文化や新たな挑戦を続ける姿勢も大きな魅力です。

燕三条からものづくりを支える野水鋼鐵店の今後の展開にも期待が高まります。

今後も、新潟ものづくりびとでは野水鋼鐵店の挑戦を応援していきます。

企業情報

野水鋼鐵店の事業内容や採用情報について詳しく知りたい方は、公式サイトもぜひご覧ください。

企業名株式会社 野水鋼鐵店
所在地新潟県三条市柳川新田982
創業明治40年(1907年) 6月
事業内容特殊鋼、表面処理鋼板、普通鋼、ステンレス等の素材販売、加工販売
特徴創業110年以上の実績と信頼、充実した設備・在庫、コーディネート
公式サイトhttps://www.nomizu-koutetsu.co.jp/
公式SNShttps://www.instagram.com/nomizu1907/

筆者:

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