新潟県三条市は、古くから金属加工や刃物づくりが盛んな地域です。
その三条市で、刈込鋏や剪定鋏、鉈(なた)など、さまざまな刃物を製造しているのが五十嵐刃物工業株式会社です。
火打鍛造をはじめとした伝統的な技術を受け継ぎながら、現代の設備も取り入れ、幅広い工程を社内で手がけています。
では、実際に五十嵐刃物工業で働く社員は、どのような仕事をしているのでしょうか。
仕事の難しさややりがいは? 職人として成長する面白さとは?
今回は、実際に五十嵐刃物工業で働く社員の方々に、仕事内容やものづくりの魅力、成長を実感する瞬間についてお話を伺いました。
五十嵐刃物工業ではどのような仕事をしている?

五十嵐刃物工業の刃物づくりには、さまざまな工程があります。
鍛造、機械加工、熱処理、研磨、刃付け、そして、製品の組み立てや調整。
一本の刃物が完成するまでには、多くの工程と技術が必要です。
刃物は、ただ形をつくれば完成するわけではありません。
どのような用途で使うのかによって、求められる刃の形や角度も異なります。
また、刈込鋏のように複数の刃を組み合わせる製品では、刃同士の細かな調整も必要になります。
五十嵐刃物工業では、一つの仕事だけを担当するのではなく、さまざまな工程に関わる機会があります。
それが、ものづくりの奥深さにもつながっています。
職人の経験が必要な「火づくり」の仕事
刃物づくりの中でも、特に経験や感覚が求められる仕事があります。
その一つが、鉄と鋼を扱う「火づくり」の工程です。
25年間勤務する田辺さんは、この工程について、

「鉄の色を見て判断する作業なので、そこが一番大事な部分」
と話します。
金属は、加熱された状態によって色が変化します。
しかし、単純に温度計の数字だけを見ればよいわけではありません。
鉄の状態を確認しながら、適切なタイミングを判断する必要があります。
田辺さんによると、状態によっては、
「うまくくっつかない」「鋼の状態に影響が出る」といったこともあるそうです。
だからこそ、経験を積み重ねながら、少しずつ感覚を身につけていきます。
田辺さんは、
「失敗を繰り返して、ちょうどいい塩梅を目指しています」
と話します。
ものづくりの仕事には、マニュアルだけでは身につけられない技術があります。
実際に手を動かし、失敗や経験を重ねること。
その積み重ねが、職人としての技術につながっています。
一つの工程だけではない。幅広い仕事に携われる
五十嵐刃物工業で働く魅力の一つは、幅広い工程に携われることです。
田辺さんは、仕事のやりがいについて、

「一貫生産なので、初めから最後までできるところが面白い」
と話します。
鍛造には鍛造の難しさがあります。
機械加工には、現代の設備や加工技術に関する知識が必要です。
さらに、刃付けでは、製品によって異なる刃の形や角度を考えなければなりません。
覚えることは少なくありません。
しかし、その分、
できる仕事が少しずつ増えていく
という面白さがあります。
田辺さんは、
「どんどんやることがあるので、常にスキルアップできる。それがやりがいにつながっていると思います」
と話します。
一つの作業だけを繰り返すのではなく、新しい技術を身につけていく。
ものづくりが好きな人にとっては、自分自身の成長を実感しやすい仕事といえるでしょう。
「できなかったことができるようになる」ことが一番のやりがい
職人の仕事は、最初からすべてできるわけではありません。
特に刃物づくりには、手作業や経験が必要な工程も数多くあります。
田辺さんに、成長を実感する瞬間について伺うと、

「シンプルに、できなかったことができるようになった時ですね」
という答えが返ってきました。
昔ながらの職人の世界には、
「見て覚える」
というイメージを持つ人もいるかもしれません。
しかし、実際には見るだけでは身につかないこともあります。
見ても覚えられない。やらないとできない。
実際に手を動かす。
失敗する。
もう一度挑戦する。
そして、少しずつできることが増えていく。
田辺さんは、
「失敗が怖かったら、何もできない」
とも話します。
失敗を経験することも、技術を身につけるための一部です。
だからこそ、以前はできなかった作業ができるようになった時、大きな達成感につながります。
「作業をする」ことから、刃物づくりの面白さへ
入社当初の田辺さんは、最初から刃物づくりに詳しかったわけではなかったそうです。
しかし、仕事を続ける中で、少しずつ刃物そのものに興味を持つようになりました。
もともと父親が金物店に関わっていたこともあり、工具や刃物に触れる機会がありました。
パンフレットなどを見る中で、「こういう道具があるんだ」と興味が湧き、そこから少しずつ学ぶようになったといいます。
最初は、仕事として作業を行う。
そして、経験を重ねる中で、
「なぜこうつくられているのか」
「どうすればもっと上手くできるのか」
と考えるようになる。
仕事を続ける中で、ものづくりへの興味が深まっていく。
それも、五十嵐刃物工業で働く社員の成長の一つなのかもしれません。
お客様からの「この製品は良い」が励みになる
ものづくりの仕事では、自分がつくった製品を実際に使うお客様と直接話す機会が少ないこともあります。
しかし、展示会などでは、お客様の声を直接聞く機会もあります。
田辺さんは、印象に残っている出来事として、

「ここの会社の、この鋏がいいんだよね」
と声をかけてもらった経験を挙げました。
自分たちが日々つくっている製品。
その製品を実際に使っている人から、
「良い製品だね」
と言ってもらえる。
それは、ものづくりに携わる人にとって、大きな励みになります。
普段は工場の中で作業をしていても、その先には実際に製品を使う人がいます。
自分たちの仕事が、誰かの仕事や暮らしを支えている。
お客様の言葉を直接聞くことで、改めて仕事の価値を実感できるのです。
オーダーメイドの製品づくりにも挑戦

五十嵐刃物工業では、オーダーメイドの製品づくりに関わることもあります。
すでに見本がある場合は、形や用途をイメージしやすいかもしれません。
一方で、「こういうものが欲しい」と口頭で相談を受けることもあります。
その場合は、最初から完成形が決まっているわけではありません。
田辺さんは、
「お客様と話しながら、いろいろつくって、だんだん形にしていく」
と話します。
試作する。
調整する。
お客様と相談する。
そして、少しずつ理想の形へ近づけていく。
決まった製品をつくるだけではなく、新しい要望に向き合うことができるのも、ものづくりの仕事の面白さです。
社員同士がフラットに話せる職場
仕事を続けるうえで、職場の雰囲気も重要です。
田辺さんに職場の様子について伺うと、

「みんなとフラットに話せるのかなと思います」
と話してくれました。
職人の世界というと、
「厳しい上下関係がある」
というイメージを持つ人もいるかもしれません。
しかし、実際には、社員同士や社長とも気兼ねなく話せる雰囲気があるようです。
技術を学ぶためには、分からないことを聞くことも必要です。
また、自分一人だけではできない仕事もあります。
だからこそ、周囲とコミュニケーションを取りながら仕事を進めていくことも、ものづくりの現場では大切になります。
これから挑戦したいのは、幅広い刃物づくり

田辺さんに今後挑戦してみたいことを伺うと、
「いろいろな刃物に携わってみたい」
という答えがありました。
五十嵐刃物工業では、刈込鋏や剪定鋏、鉈など、さまざまな製品を製造しています。
しかし、刃物にはまだ多くの種類があります。
さらに、金属にもさまざまな種類があります。
「普段触れないような金属にも触れて、幅広い道具をつくれたらいい」
新しい技術を身につける。
これまで扱ったことのない素材に挑戦する。
そして、つくれる製品の幅を広げていく。
職人として成長を続けることが、次の目標にもつながっています。
五十嵐刃物工業で働くということ

五十嵐刃物工業での仕事は、決して簡単なことばかりではありません。
鉄の状態を見極める。
刃の角度を調整する。
製品ごとに異なる工程を覚える。
長年の経験が必要になる技術もあります。
しかし、その分、
できなかったことができるようになる。
新しい技術を身につけられる。
自分がつくった製品を使ってもらえる。
という喜びがあります。
一つの工程だけではなく、幅広いものづくりに携わる。
実際に手を動かしながら、少しずつ技術を身につけていく。
そこには、ものづくりの仕事ならではの面白さがあります。
まとめ|失敗を恐れず、少しずつ「できること」を増やしていく

新潟県三条市で、長年にわたって刃物づくりを続けてきた五十嵐刃物工業。
社員の方々への取材から見えてきたのは、職人として成長していくことの面白さでした。
火づくり。
鍛造。
機械加工。
刃付け。
合刃の調整。
刃物づくりには、多くの技術があります。
すぐにすべてができるようになるわけではありません。
だからこそ、昨日できなかったことが今日できるようになる。
少しずつ技術が身につく。
その積み重ねが、大きなやりがいにつながっています。
「できなかったことができるようになった」
というシンプルな言葉には、ものづくりの仕事の魅力が詰まっています。
失敗を恐れずに挑戦する。
実際に手を動かす。
そして、新しい技術を身につけていく。
五十嵐刃物工業では、三条市で受け継がれてきた刃物づくりの技術を学びながら、一人ひとりが職人として成長しています。
ものづくりが好きな人。
手を動かす仕事が好きな人。
少しずつできることを増やしていきたい人。
そんな人にとって、刃物づくりの現場には、新しい発見と成長の機会があるのではないでしょうか。
よくある質問(FAQ)
Q. 五十嵐刃物工業ではどのような仕事をしていますか?
五十嵐刃物工業では、刈込鋏や剪定鋏、鉈などの製造を行っています。鍛造や機械加工、刃付け、組み立て、調整など、刃物づくりにはさまざまな工程があります。
Q. 未経験でも刃物づくりの技術を身につけられますか?
刃物づくりには経験が必要な工程もありますが、実際に手を動かしながら、少しずつ技術を身につけていきます。社員の方も、できなかったことができるようになることに成長のやりがいを感じています。
Q. 五十嵐刃物工業で働くやりがいは何ですか?
鍛造や機械加工、刃付けなど、幅広い工程に携わりながら技術を身につけられることが魅力です。少しずつできる仕事が増え、自分自身の成長を実感できます。
Q. 職場の雰囲気はどのような感じですか?
社員の方への取材では、社員同士や社長とも比較的フラットに話ができる職場であることが伺えました。
Q. 五十嵐刃物工業ではどのような人が向いていますか?
ものづくりが好きな人や、手を動かす仕事が好きな人、新しい技術を身につけながら成長したい人にとって、やりがいを感じられる仕事といえるでしょう。
企業情報
五十嵐刃物工業株式会社の事業内容や採用情報について詳しく知りたい方は、公式サイトもぜひご覧ください。
| 企業名 | 五十嵐刃物工業株式会社 |
| 所在地 | 新潟県三条市金子新田丙646番地1 |
| 創業 | 昭和18年5月 |
| 事業内容 | 各種刈込み鋏、各種ナタ、剪定鋏、木鋏等の園芸刃物製造 |
| 公式サイト | https://www.kanenori.com/index.html |
| 公式SNS | 公式Instagram |
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